これから子どもたちに求められる力
近年の研究において、幼児期に読み書き計算を行ってきた子と、そうではない子との比較では、小学校に入った段階で差はほとんど無いという結果が数多く発表されています。
刻々と変化する社会、グローバル化が進む社会で必要とされる力は、コミュニケーション能力と創造力といわれています。
このような状況から、2020年にスタートする小学校の学習指導要領では、これまでの教師による知識伝達型の授業から、子ども自らが能動的に授業を進める学習法「アクティブラーニング」(具体的には、子どもが主体的に取り組む学習、子どもたちによるグループ調べや発表、交流する学習法)への転換が求められています。
長沼カトリック聖心幼稚園では、幼稚園教育要領で重視されている力、アクティブラーニングの基礎となる力、すなわち、話の聞き方、話し方に重点をおいて保育を行ってきました。そこからさらに進展させ、「言葉で思いを伝える力」を子どもたちに培おうと、実践、研究を進めてきました。
今年の9月29日(土)に、学校法人北海道カトリック学園に所属する13園、約110名の先生たちが来られ研究会を開催しました。「言葉で思いを伝える力」を培う保育を3教室で見ていただきましたが、先生方より高い評価を受けました。私どもが行ってきた保育実践に自信を深めたところです。
幼稚園において創造力は、主として遊びの中で培われます。子どもたちが夢中で遊び込むことによって、いろいろとアイディアが生まれてきます。
本園では、子どもの創造性、主体性、協力性を育むため、朝の自由遊びを設定しています。子どもたちは思い思いに好きな遊びを行います。
砂遊びを例にとると、二人で山を作っていた子どもたちは、トンネルを造り出しました。途中、崩れるために水で濡らして山を固めようとします。さらに使っていたシャベルをやめて手で掘ろうとします。子どもたちなりに試行錯誤を繰り返しながら山にトンネルを通そうとします。教師は遠巻きにその様子を見ながら、時に応じてアドバイスをおくります。
また、これからの時代を生き抜いていく子どもたちには、体づくりのためにいろいろな運動経験も必要です。運動機能においては、幼児期から小学校にかけて神経系統が特に伸びると言われています。ですから、いろいろな運動経験をすることがとても重要になってきます。本園では季節に合わせて、ランニング、水泳、器械体操、ボール遊び、縄跳び、スキーなどを取り入れ、楽しく運動に取り組んでいます。
これからも先を見つめ、子どもたちにどのような力を付けていかなければならないのかを常々熟慮し、今後も保育実践を進めて参ります。
いつでも保育参観が可能ですので、本園の保育を是非ご覧いただきたいと存じます。